遺留分の補足
遺留分を表に表すと次のようになります。
①相続人が配偶者のみの場合
相続人が配偶者のみの場合、配偶者の遺留分は二分の一です。
例えば、3億円の相続財産があった場合、配偶者は少なくとも1億5千万円は受け取ることができるということです。
配偶者以外に、遺贈したい場合でも、配偶者の遺留分を侵害しないように遺言書を残す必要があります。
②相続人が配偶者と子ども3人の場合
配偶者の遺留分は、法定相続分が二分の一ですからその半分の四分の一です。
子供の法定相続分は3人で二分の一です。相続財産のの二分の一を3人で相続するので一人当たり六分の一となり、遺留分はその半分の十二分の一となります。
つまり、3億円の相続財産があった場合、配偶者は少なくとも7,500万円、子供は少なくとも一人当たり2,500万円が受け取れます。
③配偶者と親の場合
この場合、配偶者の法定相続分は相続財産の三分の二ですから、遺留分の合計の三分の二の二分の一で相続財産の三分の一となります。父親と母親の遺留分は法定相続分である三分の一の二分の一ですので、それぞれ相続財産の十二分の一が遺留分となります。
つまり、3億円の相続財産があった場合、配偶者は少なくとも1億円を、父母はそれぞれ少なくとも2,500万円受け取れるということです。
④配偶者と兄弟姉妹の場合
この場合、兄弟姉妹には遺留分はありません。配偶者のみに遺留分がありますので、配偶者の遺留分は、相続財産の二分の一となり、少なくとも1億5千万円が受け取れます。
⑤子のみの場合
相続人が子のみの場合、遺留分は子全員で二分の一となります。
つまり、子供が一人の場合は、1億5千万円が遺留分となります。
なお、配偶者がおらず、子がいる場合、法定相続人は「子のみ」であり、父母や兄弟姉妹は法定相続人となりません。
⑥親のみの場合
親のみが相続人の場合は、遺留分は合計で三分の一ですから、それぞれ六分の一が遺留分となります。
それぞれ少なくとも5,000万円が受け取れます。
⑦兄弟姉妹のみの場合
兄弟姉妹のみが相続人の場合、遺留分はありません。
遺言書に「すべての財産を〇〇団体に寄付する」と記載したとしても兄弟姉妹が相続財産を請求することはできません。
遺留分を侵害しないように遺言書を書きましょう。