自筆証書遺言の見本⑤ 後見人指定
相続人が未成年の場合、後見人を指定する必要があります。
父親が亡くなって、相続人が配偶者と未成年の子供の場合、親権者である母親が法定代理人となりますが、
相続の場面では、母親と未成年の子供の間に利益相反が生じます。つまり、母親が相続人であり、子供も相続人であるため、母親が子供の相続分を適切に管理できるのか、という疑問が生じます。
このため、未成年の子供の後見人を指定することによって、相続人である母親との利害関係をしっかり管理する意味合いがあります。
遺言書がなかった場合、相続開始時点で、家庭裁判所に未成年の子供の後見人を選任してもらってから協議することになり、遺産分割協議に時間がかかります。
上記のように、未成年の後見人を遺言書で指定しておくことで、遺産分割協議が公正に行われます。また、後見人の監督人を指定しておくことで、万が一、後見人が相続人に不利益になる遺産分割協議を行うことを防ぐことができます。後見人は、親族でも構いませんが、監督人は行政書士等の専門家に依頼することが望ましいでしょう。