公正証書遺言とは
公正証書遺言とは
遺言をする人(遺言者)が、公証人の目の前で、遺言の内容を口頭で申告し、それに基づいて、公証人が遺言者の意思を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。
遺言を作成しようとする場合、どんな内容にしようかと悩むことも多いのではないでしょうか。公証人は、必要な助言もしてくれます。
法律上の不備や、隠匿・改ざんの心配がないため公正証書遺言は自筆証書書遺言と比べて、安全確実な遺言方法であるといえます。
また、公正証書遺言の原本は必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄される心配はありません。
相続が開始された場合でも、家庭裁判所での検認の手続きをとる必要がありませんので、すぐに遺言の内容を実現することができます。
体力が弱ってきたり、病気等のため自分で遺言書を書くことができなくなった場合でも、公正証書遺言による遺言書を作成することができます。
公証人とは
公証人は、法律の専門家であるため、正確な法律知識と豊富な経験を持っています。公証人は相談を受けながら、必要な助言をして、遺言者にとって最善と思われる遺言書を作成してくれます。複雑な内容であっても、法律的に見てきちんと整理した内容の遺言にします。体裁等の不備で遺言が無効になる心配はありません。
また、遺言者が高齢で外出が困難だったり、病気等のため公証役場に出向くことが困難な場合には、公証人が遺言者の自宅または病院等へ出張して(別途割増料金と出張費・日当がかかります)遺言書を作成することもできます。本人が署名できない場合でも、公証人が本人の意思を確認して署名の代行を行うことができます。
どのくらい費用がかかる
公正処暑遺言は、自筆証書遺言と比較すると、メリットが多く、安全確実な方法ですが、デメリットは遺言者にとって費用がかかることです。
では、いくらくらいの費用がかかるのでしょうか。
まず、相続人ごとに受取る財産がいくらになるのかを算出します。受取る金額ごとに料金を算出し、それぞれの相続人にかかる料金を合計します。財産の合計金額が一億円以下の場合は、1万1千円が加算されます。
例えば、1億円の財産を、配偶者5,000万円、子どもにそれぞれ2,500万円を相続させる遺言書を書いたとしましょう。
5,000万円に対する料金は、29,000円です。2,500万円の場合は、23,000円ですから、料金は、29,000+23,000×2+11,000=86,000円ということになります。
以下に料金表を掲載しますので参考にしてください。
目的の価額 | 手数料 |
100万円以下 | 5000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11000円 |
500万円を超え1000万円以下 | 17000円 |
1000万円を超え3000万円以下 | 23000円 |
3000万円を超え5000万円以下 | 29000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 43000円 |
1億円を超え3億円以下 | 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算した額 |
10億円を超える場合 | 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額 |
公正証書遺言をするためには、遺言者の真意を確保するため、証人二人の立会いが義務づけられています。適当な証人が見当たらない場合には、別途費用は掛かりますが、公証役場で紹介してもらうこともできます。
公正証書遺言は、確実に秘密を守ることができる遺言です。公証人の側や承認から公正証書を作成したことや遺言の内容が漏れる心配はありません。
また、遺言公正証書の原本は、役場に厳重に保管され、謄本が滅失しても復元できるように原本の二重保存システムが設けられています。