自筆証書遺言の相続人の手続②
自筆証書遺言書の検認手続き
遺言者が亡くなったとき、相続人が自筆証書遺言書を発見しました。そのまま開けていいのでしょうか。
だめです。
家庭裁判所への検認手続きをする必要があります。
【検認とは?】
「検認」とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
【検認の申し立てができるのはだれ?】
- 遺言書の保管者
- 遺言書を発見した相続人
です。
【どこに行けばいいの?】
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。
【検認の時はどんな手続きがあるの?】
検認の手続は,通常は以下のように行われます。
① 検認の申立てがあると相続人に対して、裁判所から検認期日(検認を行う日)の通知をします。申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは任意で、全員がそろわなくても検認手続は行われます。
② 検認期日には申立人から遺言書を提出し、出席した相続人等の立会のもと、封がされた遺言書については開封のうえ、遺言書を検認します。
③ 検認が終わった後に遺言の執行をするためには、遺言書に検認済証明書が付いていることが必要となるので、検認済証明書の申請をすることになります。
【費用はいくらかかるの?】
- 遺言書1通につき収入印紙800円分
- 連絡用の郵便切手代
- 検認済証明書にかかる収入印紙1通150円分
【申立てに必要な書類は?】
(1) 申立書
(2) 標準的な添付書類
・共通の書類
・以下の〇に該当する場合は、4または5~8の書類
【共通】
1. 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
2. 相続人全員の戸籍謄本
3. 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
〇【相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合】
4. 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る)で死亡している方がいる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
〇【相続人が不存在の場合,遺言者の配偶者のみの場合,又は遺言者の(配偶者と)兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合】
5. 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
6.遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
7.遺言者の兄弟姉妹で死亡している方がいる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
8. 代襲者としてのおいめいで死亡している方がいる場合,そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
【戸籍謄本を集めるの大変・・・】
こんな時は、行政書士に依頼すると必要な戸籍謄本等を収集してくれます。
また、法定相続情報一覧図(法定相続情報証明制度)を作成してもらうと、生命保険の手続きなどにも使えますので、いちいち戸籍謄本等を取り直さなくても済みます。戸籍謄本の収集を依頼するのであれば法定相続情報一覧図も作成してもらいましょう。
法定相続情報一覧図は、相続が発生してからでなければ作成できません。