相続が争族になるときとは?

日本国内で、遺言書を書いている人はどのくらいいるのでしょうか。

日本公証人連合会によると、公正証書遺言を作成している人は概ね11万人強となっています。

また、自筆証書遺言を作成している人は、推定値しかありませんが17,000人程度です。

相続が合意に達しない場合で、家庭裁判所の調停等の事件に発展した件数は、約15,000件といわれています。

みなさんは、ご自分が亡くなったとき家族が円満に相続の手続きができると考えていますか?

実は、「みんなで仲良く分けてくれるだろう」と考えている人が多いのが実態です。

でも、よく考えてください。遺言書を作成しようと思い立つ時期は、概ね子供が独立してからではありませんか?

子供にも交友関係がありますし、既婚であれば配偶者やその親族もいます。

私も経験がありますが、相続人の配偶者や親族が「これは法定相続分と違う」とか「介護したんだからもっともらっていいんじゃないの」などとおせっかいを焼く場合があります。

せっかく兄弟姉妹は仲良くしているのに、横やりが入る場合があります。また、親には気づかれないようにしているけれど、実は兄弟姉妹の仲は良くなかった、ということもあります。

遺言書を書くかどうか決める前に、一度家族の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。

「あなたの財産なんだから好きにしていいわよ」と答えが返ってきたら、自分の思いどおりの遺言書を書けばよいのです。(決まりごとはありますが)

家族が希望を伝えてきたら、それを考慮して遺言書を書くのもよいでしょう。

よく、「財産はないのよ」という人がいますが、「不動産はありますか?」と聞くと、「自宅だけど古いのよ」と返ってくることがあります。実は、不動産の相続が一番大変なのです。

なぜなら、不動産は分割するのが難しいからです。長男には玄関を、長女には台所、配偶者には寝室というわけにはいきません。難しいから、と先送りして二次相続(相続手続きをしないまま、次の相続が発生すること)が発生し、より複雑になってしまうこともあります。

結果として、均等に分けようとすると不動産を売却しなければならなくなります。

2020年4月から、民法の改正により配偶者居住権が認められるようになりましたが、これも遺言書がなければ遺産分割協議等で居住権を登記しなければなりません。遺言書がなく、遺産分割協議をした場合の手続き完了までの期間の多くが6か月以上かかったという回答になっています。

財産が少ないからといって、「遺言書を書かなくてもいい」ことにはならないのです。

配偶者の権利を守り、家族間の紛議を避けるためにも遺言書を作成しましょう。

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