相続が発生したら何をする?

【相続が発生したら】

親族が亡くなった場合、相続人が2人以上いる場合には、遺産を分割して各相続人に財産を分けることになります。
相続人が1人の場合でも、遺産の把握が必要ですので以下を参考にしてください。

相続人は、

1 遺産内容を把握する
2 それらの遺産を分割する
3 それぞれの財産について相続手続きを行う
の順で進めていきます。

被相続人(亡くなった人)の遺産内容の把握は、どこに・何が・いくらあるかを調査します。最近ではインターネットバンキングなどの普及によって、通帳等がない場合もあります。
相続人にとっては、遺産内容の把握の時点で苦労することも多いようです。
※被相続人は、生前からエンディングノートなどを作成し、財産の状況がわかるようにしておくことで相続人の負担を軽くすることも重要です。

遺産を分割する手順は以下の通りです。
遺言書がある場合には、原則、遺言書に従う
遺言書がない場合には、相続人全員による遺産分割協議に基づいて遺産を分割する
遺言書がなく相続人間の協議が進まない場合には、家庭裁判所の調停や審判に委ねる

【「遺言書の有無」を確認】

相続が発生した場合、まず遺言書の有無の確認が必要です。
公正証書遺言が遺されていた場合、ご相続人による家庭裁判所での検認手続きは不要です。
自宅などに自筆証書遺言が保管されていた場合、相続人は家庭裁判所での検認手続きが必要です。
一方、法務局(遺言書保管所)に自筆証書遺言が保管されていた場合、相続人による家庭裁判所での検認手続きは不要となりますが、法務局に対して、被相続人の遺言書の存否・内容の確認や閲覧請求などの手続きがあります。
なお、遺言書が遺されていない場合には、遺産の分割について相続人全員で合意する必要があります。

【相続人はだれか】

遺言書がある場合は、原則として相続人が誰かを確認する必要がありません。これは、遺言書に書かれている人が相続人になるからです。配偶者や父母、子には遺留分がありますので、遺留分を侵害していなければ遺言書のとおりに分割すれば、あえて戸籍謄本などから相続人を探し出す必要はありません。

遺言書がない場合は、戸籍謄本等から法定相続人を確定する必要があります。

ほとんどの場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を用意する必要がありますが、家族も知らなかった親族がいることがあります。

※配偶者と日ごろ付き合いのある兄弟姉妹だけが法定相続人だと思っていたのに、戸籍謄本を取り寄せてみると小さいときに養子縁組をした兄弟姉妹がいた。ということは、よくある事例です。

【戸籍謄本等はどこでもらえるの?】

戸籍謄本等は、本籍地のある市区町村役場で取得できます。その場合、市区町村役場の窓口に出向くか、郵送でも取得することができます。郵送の場合は、料金分の定額小為替(郵便局で売っています)と返信先の住所を記載した封筒に切手を貼って市区町村役場に郵送します。郵送の場合は、何のために戸籍が必要なのか(この場合は相続手続き)ということと、戸籍の筆頭者との関係がわかる本人確認書類や戸籍謄本等の写しを求められることがありますので、あらかじめ市区町村役場のホームページなどで確認するとよいでしょう。

【戸籍謄本と除籍謄本の違い】

戸籍謄本とは、戸籍の中に生存している人が記載されているものをいいます。現在進行形の戸籍のことですね。

除籍謄本とは、閉鎖された戸籍謄本のことをいいます。戸籍に記載されている人が全員、引越しや婚姻などで新たな戸籍を取得したか、死亡した場合に除籍謄本となります。

例えば、現在は、男女が婚姻するとそれぞれの親の戸籍から離れて、新たな戸籍を作ります。その後、子どもが生まれれば戸籍に記載されますが、子どもが自分の戸籍を新たに作成したり、婚姻すると除籍されますが、その時点では両親が戸籍に残っていますので、戸籍謄本ということになります。

なんと、戸籍謄本には種類がある

現在の戸籍謄本は、コンピュータ化されているので、戸籍謄本を請求した場合、請求時点で戸籍に記載されている人しか載ってきません。

戸籍は、その歴史の中で、法改正や電子化などによってフォーマットが変わっており、そのフォーマットが変わる前の古い戸籍のことを「改製原戸籍」と呼びます。

相続の手続きの際は、ほとんどの場合。「改製原戸籍」を取得する必要があります。

①昭和改製原戸籍(制度の変更にともなう改製)

昭和(32年)に改製されたので、昭和改製原戸籍と呼びます。

それまでの戸籍は、孫・甥・姪なども含めた3世代が同じ戸籍に記載されていました。

しかし、戦後の憲法改正にともなって、親と子の2世代が記載される、現在の戸籍に改められました。

②平成改製原戸籍(戸籍のコンピュータ化による改製)

平成(6年)に改製されたので、平成改製原戸籍と呼びます。

それまで紙の戸籍を使用していたのが、コンピュータで記録出来るようになり、フォーマットも縦書きから横書き、文章形式から項目別形式に変更されています。

現在私たちが一般的にいう「戸籍(現在戸籍)」は、この2つのアップデートを経たものです。

ですので、平成6年以前に生まれていれば少なくとも1つ、昭和32年以前に生まれていれば2つの改製原戸籍を取得することになります。

【「遺産の内容」を確認】

法定相続分どおりでない分割でも相続人全員が合意すれば有効ですが、不動産等の分割しにくい財産がある場合など、話し合いが難しくなることがあります。
遺産の分割は、現物の財産ごとに相続する(〇〇銀行の預金は△△さん、□□会社の株式は※※さんなど)ことで合意できればよいのですが、

遺産の内容によっては(不動産など)

・特定の相続人が分割しにくい財産を相続し、他の相続人に金銭などを提供する(代償分割)

※Aさんが時価2000万円の不動産を相続し、他の相続人Bさんに現金1000万円を渡すなど

・財産を換金し、換金された金銭を相続人で分配する(換価分割)

・各相続人の持分を決めて共有で分割する(共有分割)

などを考慮せざるを得ないこともあります。

【「生前の被相続人と相続人との関係」】

・被相続人が元気なうちに、被相続人から贈与を受けていた相続人がいる場合

・被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした相続人がいる場合

は、相続人間の公平を図るため、相続分を調整することがある(特別受益分、寄与分)ことにも注意が必要です。

最終的に、分割の内容が決まれば、相続手続きを行うことになりますが、遺言書があり、その中で遺言執行者という人が指定されている場合には、原則、その人が相続手続きを行います。
その他の場合には、相続手続きは相続人が協力して進めます。

以上から、ご自身の相続対策を考える場合には、残された相続人の負担を考慮して、遺言書を残し遺言執行者を指定しておくことが有効な手段の一つになります。

次回は、寄与分と特別寄与料について説明します。

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