会社設立の流れを解説④
会社設立の流れを解説④
7 事業年度を決める
事業年度は、一般的には会社の登記をした月の1日または、翌月1日から1年間とすることが多いようです。
例えば、3月に会社を設立し、事業年度を6月から翌年5月とした場合、最初の決算は設立年度の5月になります。
設立後の繁忙時期に最初の決算日が到来してしまうため、本業に影響が出てしまう可能性があります。
また、事業によっては季節繁忙もあります。繁忙期に決算期が来てしまうと確定申告の準備ができない可能性があります。
確定申告は、決算期の2か月後の末日までに行う必要がありますので、事業年度は慎重に決めましょう。
8 会社の目的を決める
法人の場合、定款に定め登記した目的以外の事業を行うことはできません。
そのため、目的を多く設定する方がいらっしゃいますが、あまりお勧めしていません。
履歴事項全部証明書は、誰でも取得することができます。
取引先の企業などでも容易に御社の事業内容がわかるということです。
目的があまりにも多くありすぎると、「本来業務は何か」、「何をメインの事業としているのか」、が解りづらくなってしまいます。
近い将来に実行に移す事業を記載するのがお勧めです。
新しい事業を行いたい場合は、定款変更と目的の変更登記をします。
9 定款を作成する
定款は、会社の法律といってもよい重要な書類です。
定款には、重要な内容が記載されていますので、内容をよく把握しましょう。
例:事業の目的
本店の所在地
役員の改選の方法
役員の任期(株式会社)
事業年度
株式の譲渡制限
役員の人数
株式会社の場合は、公証役場で定款を認証してもらう必要があります。
また、認証時には「実質的支配者となるべき者の申告書」が必要です。
紙の定款の場合は、印紙代がかかりますが、電子定款の場合は印紙代は不要です。
ただ、電子定款の作成には電子認証する必要がありますので、専門家に任せたほうがよいでしょう。
合同会社の場合は、公証人による定款認証の必要はありません。
合同会社の場合でも、法務局への登記申請の際には、紙定款の場合は印紙代がかかります。
10 資本金を準備する
資本金は、設立発起人全員が準備します。
資本金の受入れ口座は、発起人個人の銀行口座で構いません。
銀行口座は、会社設立後でなければ開設できないからです。
資本金の準備は、定款認証日以降に行います。それ以前に入金や振込をしても認められません。
口座名義人であれば入金で構いませんが、それ以外の発起人からは送金してもらいます。
送金人の氏名が発起人の氏名と合致する必要があります。
資本金が準備できましたら、通帳の表紙、中表紙、振込履歴を印刷します。
11 法務局への提出書類を準備する
法務局へ登記申請する場合、司法書士に依頼するのが確実です。
自分で手続きしたい方は、以下をご覧ください。
株式会社の場合
① 発起人決定書 1通 各発起人の氏名と実印
② 電子定款( CD-R 公証人認証時に交付されたもの)または紙の定款(公証人の認証が必要)
③ 印鑑カード交付申請書
④ 印鑑届出書
⑤ 印鑑証明書 各発起人のもの(発行期限3か月以内)
⑥ 就任承諾書 各役員の実印
⑦ 払込証明書(資本金の準備で印刷したものと綴じ合わせて割印)
合同会社の場合
上記①に代えて「本店所在地及び資本金の決定書」を作成
②の定款は、公証人の認証は不要
③~⑦は株式会社と同じです。